「名古屋地名ものがたり」の著者、杉野尚夫さん=名古屋市中区の「OASIS都市研究所」
「鶴舞」を「つるま」と読むべきか、「つるまい」と読むべきか。名古屋人にとっては大きな問題だ。公園は「つるま」、駅は「つるまい」などと混在しているからだ。通説では《「つるま」が元の地名》とされてきたが、それは間違いで「鶴舞(つるまい)」が正しいとする新説が現れた。
新説を唱えたのは、公園のある名古屋市昭和区の元区長でシンクタンク「OASIS都市研究所」代表・杉野尚夫(ひさお)さん(75)。古い文献を丹念に調べた結果を、3月10日に発売される著書「名古屋地名ものがたり」(風媒社)にまとめた。
公園と駅以外にも、公園内の鶴舞中央図書館と市立鶴舞小学校は「つるま」だが、両施設がある鶴舞1丁目という住所は「つるまい」と読む。
読み方が混在する背景には、公園ができた1909(明治42)年に、元々あった「つるま」という地名に「鶴舞」の漢字を当てた▽その「つるま」は、水が流れる場所を意味する「水流間(つるま)」を由来とする、という通説があった。「つるま」に「鶴舞」を当てたことで「つるまい」という読みが派生したという訳だ。
同公園を管理する「市みどりの…