愛知県新城市の無職女性を殴って死亡させ、同市内の山中に遺体を遺棄したとして傷害致死や死体遺棄などの罪で起訴された小久保裕弘被告(40)が、別の男性についても「遺体を2006年ごろに遺棄した」と供述していたことが、捜査関係者への取材でわかった。供述に基づき県警が捜索したところ、同県田原市で白骨遺体を発見。遺体は06年から行方不明になっていた男性と判明した。
捜査関係者によると、小久保被告は新城事件の取り調べのなかで、06年ごろに別の男性の遺体を田原市内の山林に遺棄したなどと供述。見つかった遺体はDNA型鑑定などの結果、同県豊橋市に住んでいた当時72歳の男性と判明した。男性は小久保被告の知人で、06年秋ごろから姿が見えなくなり、家族から行方不明者届が出ていたという。
男性の遺体が遺棄された時期が06年ごろであれば、死体遺棄罪の公訴時効(3年)はすでに成立している。ただ、小久保被告は「殴っていたら死んだので遺体を遺棄した」という趣旨の説明もしているといい、県警は傷害致死罪(20年)など公訴時効を迎えていない容疑にかかる可能性もあることから、男性が死亡した経緯についても慎重に調べている。
小久保被告は15年12月30日ごろ、新城市七郷一色の無職女性(当時71)の頭部を殴り、翌31日ごろに死亡させたうえ、共犯の女(41)と近くの廃屋に遺体を運び入れて遺棄したとして起訴されている。