安倍晋三首相の妻昭恵氏が大阪市にある森友学園の幼稚園で2015年9月に行った講演に、政府職員が同行していたことが分かった。菅義偉官房長官は3日の記者会見で、この講演を「(昭恵氏の)私的行為」と説明。政府職員が同行した目的については「首相夫人の連絡調整などのサポートを行うため」と述べた。
政府職員の同行については、3日の衆院国土交通委員会で土生栄二内閣審議官が、民進党の玉木雄一郎氏の質問に明らかにした。土生氏は「職員が公費により出張した事実はない。勤務時間外で私的な行為として同行した」と述べた。玉木氏は「公務員を伴っている。完全に私的行為と言うことは難しい」と指摘した。
一方、菅氏は会見で「私的行為」と位置づける講演に政府職員が同行したことについて、「私的な活動そのものをサポートするためではなかった」「首相の公務が全体として円滑に進むよう、夫人をサポートする職員を置いている」と主張した。
昭恵氏は15年9月の講演で「こちらの教育方針は大変、主人も素晴らしいと思っている」などと発言。国会では幼稚園の差別的な言動などが指摘されており、昭恵氏や首相の道義的責任の有無などが論点になっている。