大逆転で8強入りを決め、喜ぶバルセロナの選手たち=AFP時事
サッカーの欧州チャンピオンズリーグで8日、大会史上最大の逆転劇が起きた。決勝トーナメント1回戦第2戦でバルセロナ(スペイン)が本拠でパリ・サンジェルマン(フランス)を6―1で破り、0―4と大敗した第1戦との合計6―5で8強入りした。
過去、4点差のハンディをひっくり返したクラブはない。それでも、バルセロナのラキティッチは「信じるしかなかった。僕たちはスーパーボウルでスポーツで何が可能かを目撃したから」。フットボールの種類は違うが、今年2月、米NFLでペイトリオッツが3―28から大逆転した一戦が脳裏にあったと、インタビューで答えた。
バルセロナは後半5分までに3―0としたが、同17分に1点を返され、夢は遠のきかけた。2試合合計で得点が並べばアウェーの得点が多い方が勝ち上がる。あと3点が必要になった。
クライマックスは後半43分からの3ゴール。主役はメッシではなかった。美しい軌道を描いたFK、PK、そしてDF裏に走り込むセルジロベルトにあわせて決勝点をアシストした殊勲者はネイマールだ。
日ごろから審判を欺くのが上手な「演技派」のスアレスが獲得したPKは、映像を見直すと微妙な判定だが、それを差し引いてもあまりある奇跡を世界中のサッカー好きが堪能した。
もう1試合は、ドルトムントが2戦合計4―1で準々決勝進出を決めた。(ロンドン=稲垣康介)