ニホニウム命名記念式典後、笑顔を見せる森田浩介氏(左)とユーリ・ツォラコビッチ・オガネシアン博士=14日午後、東京都台東区の日本学士院、北村玲奈撮影
理化学研究所のチームが発見し、アジアで初めて命名権を得た113番元素の命名記念式典が14日、東京都台東区の日本学士院であり、新元素を認定した国際純正・応用化学連合のナタリア・タラソバ会長が「ニホニウム」との命名を宣言した。
新元素、名称案「ニホニウム」発表 他の三つの名前案も
記念式典ではチームの代表である森田浩介・九州大教授があいさつ。新元素を発見したときの驚きについて、「キターッという言葉しかなかった」と振り返った。皇太子さまもおことばの中で、高校時代に夏休みの宿題で、元素周期表を30枚以上、手書きで書いた経験を紹介。周期表にニホニウムが加わることに「感慨を覚えます」と語った。さらに「これからの未来を担う若い人たちにとっても大きな励みになる」とし、「科学技術が今後とも国境を越え、人々の協力によって発展し、世界人類の将来にとって有益なものとなることを願います」と締めくくった。
また森田教授は式典後、ロシア留学時代の指導者で、118番元素オガネソンを始めとする超重元素を数多く合成した核物理学者のユーリ・ツォラコビッチ・オガネシアン博士とともに会見。「ようやくこの日を迎えることができた。次の新元素発見はさらに合成確率が下がり、難しい仕事になるが、準備は順調に進んでいる」と今後の研究に意欲を示した。オガネシアン博士も「森田教授は友人。彼の貢献は大きい」と互いの健闘をたたえた。
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オガネシアン博士は16日午後4時から、大阪府東大阪市の近畿大東大阪キャンパスで「史上最も重い元素を追い求めて」と題して講演する。申し込み不要。(
http://www.kindai.ac.jp/sci/event/016069.html
)(竹石涼子)