大町山岳博物館で人工飼育しているニホンライチョウ=大町山岳博物館提供
10日午前9時20分ごろ、長野県大町市の大町山岳博物館の飼育舎から、人工飼育中だった特別天然記念物のニホンライチョウ2羽(オス、メス各1羽)が逃げ出した。オス1羽は無事に捕獲されたが、メス1羽が見つからず、11日に再捜索する。
博物館によると、飼育員が清掃のためにライチョウを隣の展示室に移動させようとした際、2羽が飛んで、1羽が窓を開けるひもに引っかかった。弾みで縦50センチ、横60センチほどの窓が開き、そこから2羽とも飛び出したという。
飼育員や同市職員ら約100人が付近の山中を捜索。飼育舎から約450メートル離れた道路わきでオスを見つけて捕獲したが、日没までにメスは見つからなかった。
同博物館は、環境省によるニホンライチョウの保護増殖事業で計4羽を人工飼育している。逃げた2羽は6月に北アルプスの乗鞍岳で採取した卵から孵化(ふか)。体重450~500グラムの若鳥に成長していた。