チャペルでバージンロードを歩く田中俊行さん(左)と原口真一さん=福岡市中央区
入院や転居、相続……。法律上、婚姻が認められていない同性カップルには、暮らしの中で困ることが少なくない。国の法整備が進まない中、一部の自治体では同性パートナーに夫婦と同様の待遇を認める動きがある。
性的少数者に関するトピックス
26日午後、福岡市のホテル。海が一望できる35階のチャペルで、ともに同市の会社員の田中俊行さん(38)と原口真一さん(28)が手をつないでバージンロードを歩いた。列席者約60人の前で誓約書にサインをして、愛を誓った。外はあいにくの小雨模様だったが、次第に晴れ間が見え、海の上には虹が懸かっていた。
田中さんは「みんなが来てくれて感動した。思わず涙が出た」。原口さんは「純粋にうれしい。この式がきっかけで(同性カップルへの)考え方が変わってくれば」。
祝福の中で式を挙げた2人だが、法律上、同性の婚姻は認められない。これまでも制度の壁にぶつかってきた。
田中さんが入院した際、病院から家族の同意書を求められた。原口さんが手続きをしようとしたが、病院からは当初「家族」とは認識されず、家族同等の存在だと説得した。
引っ越しでは、男性2人の入居…