自殺を考える人やその家族に法的な助言をすることで自殺を防ごうと、大分県弁護士会が4月から自殺に関する法律相談を専門に受け付ける「当番弁護士」の制度を始める。全国初の取り組みで、借金やパワハラといった経済や労働問題の相談を想定している。
通常の当番弁護士は、逮捕された容疑者の依頼を受けて警察署に当番の弁護士が駆けつける仕組み。日本弁護士連合会によると、大分県弁護士会が1990年に全国で初めて取り入れ、全国に広がっている。
今回の取り組みは「自死関連事案当番弁護士制度」と名付け、4月3日から申し込みを受ける。弁護士会事務局に電話(097・536・1458)かファクス(097・538・0462)で申し込むと、登録された弁護士から24時間以内に連絡があり、面談か電話で相談できる。
初回は無料で、2回目以降の料金は相談内容による。電話は平日の午前9時~午後5時に受け付けるが、夜間でも留守電にメッセージを残せば対応するという。
大分県弁護士会は、全国の自殺者が初めて年間3万人を超えた98年以降、自殺に関する法律相談に特化した当番弁護士制度を検討してきた。担当の巨瀬(こせ)慧人(けいと)弁護士は「法的に力になれるよう迅速に支援したい」と話す。(女屋泰之)