1日目指了図
佐藤天彦(あまひこ)名人(29)に稲葉陽(あきら)八段(28)が挑戦する第75期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)の第1局が6日、東京都文京区のホテル椿山荘東京で始まり、午後7時2分、佐藤名人が41手目を封じて1日目を終えた。互いに慎重な指し手が続き、本格的な戦闘の開始は2日目に持ち越された。
1日目の流れをタイムラインで
持ち時間9時間のうち、佐藤名人が4時間42分、稲葉挑戦者が3時間56分を消費。7日午前9時に再開し、夜までに決着の見込み。
稲葉挑戦者の誘導で、激しい流れになりやすい「横歩取り」の戦いになった。稲葉挑戦者が△8五飛(20手目)と敵陣に近い場所に飛車を据え、攻撃的な陣形を築いた。
「開戦間近」と思われたが、双方が戦機をうかがう展開に。39手目から1時間27分、1時間2分と長考が相次いだ。佐藤名人が、さらに1時間18分考えて41手目を決断。定刻を30分以上過ぎての封じ手は異例だ。
解説を務める副立会人の鈴木大介九段は「先手が1歩を得している上に攻勢がとれそう。もうすぐ戦いが始まり、7日昼にはどちらかに形勢が傾いているでしょう」と話した。(村瀬信也)
〈指し手〉先手・佐藤名人 ▲2六歩△3四歩▲7六歩△8四歩▲2五歩△8五歩▲7八金△3二金▲2四歩△同歩▲同飛△8六歩▲同歩△同飛▲3四飛△3三角▲3六飛△2二銀▲8七歩△8五飛▲2六飛△5二玉▲7七角△7二銀▲6八銀△7四歩▲5八玉△7三桂▲1六歩△2三銀▲1五歩△2四歩▲4八銀△9四歩▲9六歩△6二金▲5九金△8一飛▲1七桂△6四歩