名人の村上賢助さんと一緒に茅葺き屋根に使う茅を刈る大井川聖心さん(大井川さん提供)
高校生が森や海、川の仕事に携わる「名人」を訪ね、生き方を取材して記録に残す「聞き書き甲子園」(認定NPO法人共存の森ネットワークなどの実行委員会主催)が15周年を迎えた。名人の人生に触れたことを機に、農村で生きることを選んだ若者もいる。
3月中旬、成果を発表する集会が東京都内であった。約100人の中から、猟師、漁師、シイタケ栽培の名人などに聞き書きをした8人が優秀作品賞、1人が優秀写真賞を受けた。
そのうちの一人、東京都三鷹市に住む東京大教育学部付属中等教育学校6年、大井川聖心(さとみ)さん(17)は秋田県羽後町の茅葺(かやぶ)き職人、村上賢助さん(90)に話を聞いた。満員電車で学校に通う大井川さんは、自然とともに生きている人に接したくて自分で応募した。
昨年9月と11月の2回、片道約5時間かけて村上さんを訪ねた。屋根の上を軽々と歩き回り「朝から晩まで、屋根の勾配とか茅の差し方とかを考えてんだ」と話す名人に驚いた。
録音した話はパソコンで文字に…
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