特別養護老人ホームなどが入る公益社団法人「全国老人福祉施設協議会」(老施協、東京都千代田区)で、理事らが飲み食いに使った高額なお金を「会議費」として運営費から支出していたことが関係者への取材で分かった。計約3300万円に上るとみられ、内閣府の公益認定等委員会が不適切とみて報告を要求。理事の大半が辞意を表明する事態になっている。
老施協は高齢者施設の代表的な団体で、特養やデイサービスなど約1万1500の施設・事業者が加盟。会費で運営費の8割以上を賄い、厚生労働省から補助金も受けている。
関係者によると、2013年度ごろから理事らが高級料亭や高級クラブなどで飲食した際、その代金1人5万~10万円分を、運営費から会議費の名目で繰り返し支出していた。計約3300万円に上るという。
昨年11月に公益法人を監督する公益認定等委員会が立ち入り検査に入り、不適切な支出を一部確認。実態解明や再発防止策を求めた。老施協は第三者委員会を設置し、2月にいったん調査内容を報告したが、不十分だと指摘されて改めて調査しているという。
この問題を受け、3月の総会で29人の理事のうち28人が辞意を表明した。
老施協の天野尊明事務局長は、「公益認定等委員会の立ち入り検査があったのは事実。随時、調査を求められ、それが引き続き行われている段階だ。当然、結果が出たら報告するが、調査中のため現時点では話せない」としている。