サウジアラビアのサルマン国王は22日、アブドラ駐米大使の後任に息子のハレド王子を起用する人事など、約40の勅令を出した。サウジ国営通信が伝えた。
空軍出身のハレド王子は、国防相や経済改革の旗振り役を担うムハンマド副皇太子(31)の弟。サウジとの同盟関係強化に米トランプ政権が意欲をみせるなか、重要ポストを直系王族で固めるサルマン国王の方針がより鮮明になった。
このほか、同じく息子のアブドルアジズ・エネルギー鉱物資源省副大臣を同省の大臣級に格上げした。
勅令は一方で、原油価格の低迷による財政悪化を受けて、サウジ政府が緊縮財政の一環として昨年始めた公務員と軍人向けの給与やボーナスの削減をやめ、従来通りに戻すことを決めた。緊縮策に対する国民の不満は高まっており、そうした批判をかわす狙いもあるとみられる。(ドバイ=渡辺淳基)