北朝鮮による拉致被害者の救出へ決意を語る家族会の飯塚繁雄代表と安倍晋三首相=23日午後2時5分、東京都千代田区、角野貴之撮影
北朝鮮による拉致被害者家族会や支援団体「救う会」が主催する「国民大集会」が23日、東京都千代田区であった。「拉致問題を最優先として今年中に全被害者を救え」と銘打ち、「核・ミサイル問題と切り離し、独自制裁解除などを見返り条件として実質的協議を」と求める決議案を採択した。
飯塚繁雄・家族会代表(78)は「家族会が立ち上がって20年、必死の闘いを続けてきたが、拉致被害者5人が帰った以外は進展がない。北朝鮮情勢が混沌(こんとん)とする中、救出の旗が吹き飛ばされるのではないか」と懸念を述べた。安倍晋三首相は「長い年月がたち、被害者も家族も年を重ね、もはや一刻の猶予も許されない。拉致問題は最重要、最優先課題。安倍内閣で解決する」と強調した。
体調を理由に欠席した横田滋・前家族会代表(84)はビデオで登場。「めぐみちゃん。お父さんですよ。いまめぐみが隣の部屋で待っているのと同じような感じがします。もうすぐ会えるかも知れませんが、体だけは気をつけていて下さい。ほんのわずかですから頑張って下さい」と語る場面が流された。(編集委員・北野隆一)