国際通貨金融委員会(IMFC)の閉幕後、記者会見するIMFのラガルド専務理事(左)とIMFCのカルステンス議長=22日、米ワシントン、福山亜希撮影
米ワシントンで開かれた国際通貨基金(IMF)の助言機関、国際通貨金融委員会(IMFC)が22日、共同声明を採択して閉幕した。声明では、従来明記していた「反保護主義」の記述が削除され、IMFによる為替相場の監視強化を求める表現が加わった。保護主義的な政策を掲げ、貿易赤字の解消に向けてドル高を牽制(けんせい)する米トランプ政権の意向が反映された形だ。
トランプ政権G20振り回す 反保護主義議論、先送りに
IMFCはIMFの活動に助言をするのが役割で、IMF加盟国から選ばれた、日本を含む24カ国の財務相らで構成。毎年春と秋の2回開かれ、今回はトランプ政権の発足後初めての開催だった。
前回昨年10月の声明にあった「あらゆる形態の保護主義に対抗する」という文言が、今回は消えた。3月にドイツで開かれた主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明でも、米国の強硬な反対で「保護主義に反対する」との文言が削られており、米国への配慮がIMFCにも広がった形だ。
一方で、3月のG20の共同声…