韓国・釜山の日本総領事館前に設置された慰安婦を象徴する「少女像」
岸田文雄外相は25日の閣議で、2017年版の外交青書を報告した。昨年末に釜山・日本総領事館前に慰安婦を象徴する「少女像」が設置された問題について、慰安婦問題の決着をうたった15年末の日韓合意の趣旨に反するとして「極めて遺憾」と批判。韓国側に対し、「合意の着実な実施を求めていく」考えを強調した。
外交青書では、米国など第三国でも像設置の動きがあると指摘。「『軍や官憲による強制連行』、『数十万人の慰安婦』、『性奴隷』といった主張については、史実とは認識していない」という日本の立場を関係者に説明していく、と記した。一方で、日韓関係をめぐっては16年度版と同じ表現で「韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国」と位置づけ、重要性も強調した。
核実験やミサイル発射を繰り返す北朝鮮については、「新たな段階の脅威」という表現を初めて使用。米国、韓国、中国、ロシアなど関係国と連携して自制を求め、国連安全保障理事会決議の順守を強く求めていくとした。
中国については、東シナ海の日…