米国際貿易委員会(ITC)は5日、日本や韓国、ドイツなど8カ国・地域の一部の鉄鋼製品が米国で不当に安く売られ、米国の産業に損害を与えていると最終認定した。認定を受け、米商務省が対象製品に対して反ダンピング(不当廉売)関税をかける。トランプ政権下での日本企業への制裁的な関税適用の決定は初めてとなる。
対象となるのは、機械部品や建設資材などとして使われる炭素鋼や合金鋼と呼ばれる製品。日本企業では、JFEスチールなどが48・67%、東京製鉄やその他の企業が14・79%の関税をかけられる。対象国・地域はほかに、イタリア、フランス、ベルギー、オーストリア、台湾。米鉄鋼メーカーの要請を受け、ITCはオバマ前政権下の昨年から調査を進めていた。
ITCによると、対象製品の米国への輸入額は2015年で約7億ドル(約790億円)で、このうち日本製は5490万ドル(約62億円)という。(ワシントン=五十嵐大介)