視察した加計学園の獣医学部の建設現場の前で、報道陣に囲まれる民進党調査チームの国会議員ら=5月19日午後5時48分、愛媛県今治市、直井政夫撮影
安倍晋三首相の友人が理事長を務める学校法人「加計学園」(岡山市)の獣医学部新設計画について、民進党の「加計学園疑惑調査チーム」の衆参議員計6人が19日夕、国家戦略特区である愛媛県今治市の建設予定地を視察した。共同座長の桜井充参院議員や今井雅人衆院議員らが、建設用の大型クレーンが立つ様子をフェンス越しに確認。しかし工事関係者の説明はなく、学園関係者の姿もなかった。
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桜井氏は文部科学省がこの日、獣医学部新設に関する内部文書の存在を「確認できなかった」と発表したことに対し、「(発表内容を)よく承知していないが、存在する信憑(しんぴょう)性は高いと思っている」と述べた。
また加計学園が、特区事業者に認定される前に市有地で地質調査をしたとして、「2018年4月の開学に間に合わせるために急いだのでは。加計学園の進出が決まっている『出来レース』だったのだろう」と話し、経緯を詳しく調べる必要性を改めて指摘。今井議員は「首相から直接指示が出ていると考えている」と述べ、党としてさらに調査する考えを示した。
視察に先立ち、6人は愛媛県庁と今治市役所を訪問。知事や市長、学部新設に至った経緯を知る担当者らへの聞き取りを求めたが、いずれも不在で対応できないと伝えられたという。