七回に決勝の適時二塁打を放ったソフトバンクの上林
(19日、ソフトバンク2―1西武)
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緊迫した投手戦で、売り出し中の21歳が殊勲の一打を放った。二回に1点を奪い合った後は、互いに無得点が続き、迎えた七回。2死三塁でソフトバンクの上林が甘い速球を振り抜き、鋭いライナーが右翼線へ。4試合連続安打が、決勝の適時二塁打となった。
打席に入る前、次打者席で、松田が空振り三振に倒れて悔しがる姿を見つめていた。「熱い気持ちが伝わって、心の中で燃えていた」。西武先発の菊池はプロ入り後、ホークス戦で勝ちがない「お得意様」。この日は攻略し切れずにいたが、終盤に上林が一振りで流れを変えた。
高卒4年目で外野の定位置をつかみつつある。今季から軸足に重心を残す打撃フォームを習得した。前日に規定打席に達し、打率3割2分2厘はリーグ8位だ。「5月なので打率は気にしてない。1日1日チームに貢献できるようにやっている」。8番打者ながら6本塁打、19打点。今週から始まった球宴ファン投票の外野手部門にも初めてノミネートされた。
メットライフドームは思い出の球場だ。西武のおひざ元、埼玉県出身。小学生時代に、当時西武のエースだった松坂(現ソフトバンク)の投球を見て育ち、この日は少年野球時代のコーチも見守っていた。チームを3連勝に導き、貯金も今季最多の「11」に伸ばし、「今日の勢いのままに連勝できるよう頑張りたい」。下位打線を支える「恐怖の8番」が地元で輝いた。(甲斐弘史)
○工藤監督(ソ) 「しびれるゲームをものにできた。(相手先発の菊池は)チャンスがあってもそうそう打たせてもらえる投手じゃない。バンデンハークも1点取られた後もいい投球をしてくれた。(走者と三塁コーチの接触によるアウトなどがあり)ああいう展開は嫌なムードになるが、上林君が一掃するような打撃をしてくれた。しまったゲーム。連勝する流れを止めずに明日を迎えられる」
○バンデンハーク(ソ) 自身4連勝。「直球も良く、変化球も低めに集められた。(味方が)しっかり守って打ってくれるので皆を信じて投げました」