介護保険に関する負担増を盛り込んだ介護保険法などの改正法が26日の参院本会議で自民党、公明党、日本維新の会などの賛成多数で可決され、成立した。現役世代並みの所得がある人の利用料の自己負担割合が2割から3割に上がり、40~64歳の介護保険料は収入に応じて負担増になる。
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介護保険に必要な費用は、高齢化で増加が止まらない。団塊の世代が75歳以上となる2025年度には、今の2倍の約20兆円になると見込まれ、今回の改正で抑制をめざす。塩崎恭久厚生労働相はこの日の閣議後の記者会見で「負担の問題などもあり、改めて丁寧に理解をいただけるよう説明していきたい」と強調した。
自己負担割合が3割になるのは18年8月からだ。対象は単身なら年金などの所得が年340万円以上ある利用者で、約12万人とみられる。40~64歳の現役世代の介護保険料は、今年8月から20年4月にかけて収入が多い人が増える仕組みに変わる。大企業の会社員や公務員ら約1300万人が増え、中小企業の会社員らは減る見込みだ。
施設の見直しでは、18年度から要介護度や医療の必要度が高い高齢者が多い療養病床を「介護医療院」に転換していく。
法改正にあわせた、自己負担額の月額上限引き上げもある。今年8月から、住民税が課税され、単身だと年収383万円未満の利用者の介護費の月額上限が3万7200円から4万4400円に上がる。(松川希実)