フィリピン・マニラで2014~15年、山梨県内の男性2人が相次いで射殺された事件で、殺人などの罪に問われた同県笛吹市の岩間俊彦被告(43)の裁判員裁判の初公判が12日、甲府地裁で始まった。岩間被告は「計画したり実行したりしたことはない。共謀したこともない」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。
一連の事件で4人が起訴され、岩間被告以外の3人の刑は確定している。これまでの裁判で検察側は、死亡保険金目的で計画を立てた首謀者だと主張。岩間被告は一貫して否認している。
起訴状によると、岩間被告は死亡保険金を得ようと久保田正一受刑者(44)=殺人罪などで無期懲役が確定=らと共謀し、14年10月に同県韮崎市の整骨院経営鳥羽信介さん(当時32)を、15年8~9月に笛吹市の会社役員中村達也さん(当時42)を、マニラで現地の実行犯に銃殺させたとされる。また、鳥羽さん殺害の実行犯への報酬などに充てるため、鳥羽さんから計370万円をだまし取ったとされる。
岩間被告は鳥羽さんの遺族から金をだまし取ろうとした詐欺未遂などの罪にも問われ、甲府地裁は裁判員の負担軽減のために裁判官のみで区分審理し、今月8日に有罪の部分判決を言い渡した。
部分判決も踏まえた最終的な判決は8月25日の予定。