練習の最後に、リンクをダッシュするアイスホッケー女子日本代表の選手ら
来年の平昌五輪に出場するアイスホッケー女子の日本代表(愛称スマイルジャパン)が18~26日、北海道苫小牧市で今季1回目の合宿を張った。これまで出場した1998年長野、14年ソチ両五輪で10戦全敗だが、平昌五輪での目標は「初白星ではなくメダル」。格上チームとの体格差を埋めるため、「世界一の体力」を目指した猛練習に打ち込んだ。
「初日からかなりきつかった」。18日の練習を終え、昨季主将の大沢ちほ(25)=道路建設=が汗をしたたらせながら語った。
午前に筋力トレーニングと氷上練習、午後に陸上トレーニングと氷上練習をこなす4部構成。体力の尽きかける午後の氷上練習の最後には、タイムを計りながらリンクを全力で5周する。走りきると、多くの選手がひざに手をついた。
10年バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した当時の米国代表の体力値を、日本は昨冬の時点で超えた。さらに進化した現在の米国やカナダと戦うため、今度は「世界一の体力」を目標に掲げる。山中武司監督は「チーム平均で身長10センチ、体重10キロも上の相手と戦うことになる。差を埋めるために、サッカー界でいうバルセロナ並みの技術、スピードで臨みたい。今は、その土台となる体でまず世界一を目指す」。
月に1回、垂直跳び、懸垂、持久力などの体力測定をしており、選手には「毎回自己ベストを更新しないと合宿メンバーから外す。その覚悟をもって」と伝えている。
昨季は2月の最終予選で平昌五輪出場を決め、4月には世界選手権1部昇格。公式戦無敗でシーズンを終えたが、山中監督は「昨季が最高の努力であってはいけない」と話す。
平昌五輪には8チームが出場し、世界ランキング順に2組に分かれて総当たりの予選を戦う。日本は下位グループで、2位以内に入れば決勝トーナメントに進める。(渡辺芳枝)