5月29日の朝日新聞に掲載された「SMAP大応援プロジェクト」の広告
中居正広(44)、木村拓哉(44)は残留、稲垣吾郎(43)、草彅剛(42)、香取慎吾(40)は独立へ――。6月、元SMAPの3人が今秋、ジャニーズ事務所を離れることが発表された。グループ解散から半年。示されたそれぞれの選択に、ファンの間では、期待と不安が入り交じる。
「この度3名が自分達の決意で異なる道を歩み始めますが、どこにいようとも、又どのような立場になろうとも、彼らを想(おも)う気持ちに変わりはありません」
6月18日付で報道各社に送った文書に、ジャニー喜多川社長(85)はそうコメントした。
昨年末で解散したSMAP。代表曲「世界に一つだけの花」の購買運動やグループ存続を求める署名運動が広がった。
元SMAPと呼ばれるようになっても、多くのファンは“元ファン”とはなっていない。3人の独立発表から4日後、ベストアルバム「SMAP 25 YEARS」が116万枚を売り上げ、オリコンの17年上半期ランキングで1位になったことが発表された。
「SMAPのにおいがするものを求めてファン同士で遊んでいるんです」。解散前、存続を求める署名集めを担ったファングループ「5☆SMILE」代表の木村恭子さん(47)=大阪市=は言う。解散後は、ライブのたびに顔を合わせた仲間と集まり、過去にメンバーが訪れたロケ地を巡ったり、ファンだけのイベントを開いたりしてきた。
3人の退所は、ファンの間では想定されてきたことだ。「どう受け止めていいか難しいけど、基本的に賛成」と複雑な心の内を明かす。「5人でいるSMAPが好き。だけど、3人には解散以降新しい仕事も入っていないし、ジャニーズ事務所は信頼できない。次のステップに進んでもいいのかな」
「SMAP大応援プロジェクト」。5月29日の朝日新聞に、そう銘打った全面広告が載った=写真。熊本地震の被災地支援を呼びかける内容で、メンバーが「SMAP×SMAP」(フジテレビ系、昨年12月終了)で力を入れた被災地支援の意志を引き継ぐ活動だ。共感するファンのひとりで米国在住の会社経営、上村ニコールさん(49)は「本当に精力的に一途に活動している」。SMAPデビューの日をファン同士で祝ったり、SMAPが宣伝した商品を買ったり……。「彼らを求める声を途切れさせないよう、ファンはしっかりと手を携えていく」