参院の内閣委と文教科学委による閉会中審査で、参考人として答弁する前川喜平・前文部科学事務次官。左後方は、事務方と相談する萩生田光一・官房副長官=10日午後4時55分、国会内、鬼室黎撮影
学校法人「加計(かけ)学園」の獣医学部新設の経緯を審議した10日の衆参両院の閉会中審査で、前川喜平・前文部科学事務次官は「官邸の関与は明らかに推測される」と述べ、国会の場で初めて学部新設に首相官邸が関わったと指摘した。一方、菅義偉官房長官ら官邸側は前川氏の発言を真っ向から否定したが、「記憶にない」とも繰り返した。野党は問題の解明にはほど遠いとして、安倍晋三首相の国会での説明を求める。
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民進党や共産党など野党は、前川氏が働きかけを受けたと証言した和泉洋人首相補佐官や木曽功・内閣官房参与(当時)の出席を求めたが、与党は拒否した。欧州訪問中の安倍首相も出席しなかった。東京都議選で自民党が惨敗し、内閣支持率も急落している中でも説明責任は果たされていない。
前川氏が質疑で「キーパーソン」に挙げたのが和泉補佐官だ。
獣医学部新設が認められたことについて「背景に官邸の動きがあったと思っている。私が直接、指示を受けた和泉補佐官が様々な動きをしていた」と述べた。前川氏は、昨年9月に和泉氏から「総理は自分の口からは言えないから私が代わって言う」と言われ、早期の対応を求められたとしている。
また和泉氏は、文科省内で見つ…