韓国統一省は21日、北朝鮮が23~25日の間に行うと予告している核実験場の廃棄式典を取材する韓国記者団(8人)の名簿の受け取りを、北朝鮮が改めて拒否したと明らかにした。理由は不明だが、米韓首脳会談を前に韓国に揺さぶりをかけている可能性がある。
同省によると21日、朝鮮半島の軍事境界線を挟む板門店を通じて北朝鮮側に名簿を提出しようとしたところ、受け取りを拒まれた。名簿の受け取り拒否は18日に続いて2回目。同省報道官は「核実験場の廃棄式典が予定通り行われることを望んでいる」と語った。
名簿は韓国人が北朝鮮を訪問する際に必要な招待状発給の前提となる書類。北朝鮮は核実験場の廃棄式典開催を発表した際、韓国と米英中ロの記者で構成する記者団に現地取材を認め、便宜を図るとしていた。
北朝鮮は16日、米韓合同演習への不満を理由に南北高官協議の無期延期を通告するなど韓国への非難を続けている。22日の文在寅(ムンジェイン)大統領とトランプ大統領の会談を前に揺さぶりを強めているとの見方がある。
韓国記者団は21日、北京に到着。記者団は22日に北京の北朝鮮大使館に集合することになっており、直接交渉も辞さない構えだ。
韓国国防省報道官は21日、北朝鮮の非難に対し「年次的に防衛目的で実施される訓練について、既存の立場を変化させるつもりはない」と表明した。(ソウル=武田肇)