5日からの豪雨で決壊した大分自動車道山田SA(右やや上)近くのため池=10日午後1時44分、福岡県朝倉市、朝日新聞社ヘリから、金子淳撮影
九州北部の豪雨災害は10日、福岡県朝倉市で3人が遺体で見つかった。ほかに有明海で遺体で見つかった1人が朝倉市在住の男性と確認され、死者は福岡・大分両県で25人となった。避難者は、福岡県の午後6時現在のまとめでは約1500人。大分県では午後0時半現在、386人いる。
福岡県警などによると、朝倉市内で男性2人、女性1人がそれぞれ見つかった。このうち1人は、市内で孤立していた男性で、10日に心肺停止の状態で見つかり、その後死亡が確認された。死因は圧死だった。死者は福岡県が22人(男性9人、女性13人)、大分県が3人(男性2人、女性1人)。ほかに有明海で男性1人と女性3人の遺体が見つかっており、警察が身元の確認を進めている。
朝倉市はこの日、8、9日に見つかった遺体が小嶋初子さん(69)=杷木白木=と、村山幸子さん(80)=山田=と確認できたと発表した。これにより、福岡県内で連絡が取れない人は2人減り、25人になった。
福岡県東峰(とうほう)村は土砂崩れなどのおそれがあるとして、天候によっては避難指示を出す方針で、朝倉市も10日、ため池決壊のおそれがあるとして一時、避難指示を出した。
東峰村はこの日、全半壊した世帯を対象に仮設住宅を設置する方針を明らかにした。「全半壊は40棟以上ある。必要な戸数を準備したい」としている。朝倉市も、仮設住宅建設や新たな住居提供に向け、住宅被害の聞き取りを始めた。罹災(りさい)証明書の申請受け付けも11日に始める。
JR九州は10日、大分県日田市で鉄橋が流失した久大線の筑後吉井(福岡県うきは市)―日田(日田市)間で、バスによる代替輸送を始めた。