女が同僚に睡眠導入作用のある薬を飲ませたとされる千葉県内の老人ホーム=8日午後5時44分、村井隼人撮影
同僚らに睡眠導入作用のある薬を混ぜた飲み物を飲ませ、交通事故を起こさせて殺害しようとしたとして、千葉県警は11日にも、県内の老人ホームに勤務していた70代の准看護師の女を殺人未遂容疑で逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、女は5月、勤務先の老人ホームで、同僚の女性と迎えに来ていた女性の夫に睡眠導入作用のある薬を混ぜた飲み物を飲ませて交通事故を起こさせ、殺害しようとした疑いがある。2人は車で帰宅中に事故に遭い、けがを負った。事故後の血液検査で、薬の成分が検出されたという。
県警は、同僚夫婦が車で帰宅することを女が知りながら、効果を把握したうえで薬を飲ませたとみており、「2人が事故で死んでも構わない」といった未必の殺意があったと判断した模様だ。
老人ホームではこれまでも、施設内で職員が体調を崩す事案が起きていた。県警は2人の交通事故でこうした事実を把握し、傷害などの容疑で捜査を開始。関係者への事情聴取などから、女が浮上した。
県警は6月下旬、別の同僚女性に睡眠導入作用のある薬を混ぜた飲み物を飲ませ、急性薬物中毒にしたとして、女を傷害容疑で逮捕。事件の背景や今回の交通事故との関連を調べていた。