24日投開票の堺市長選について、朝日新聞社は16、17の両日、電話調査を実施し、取材による情報と合わせて情勢を探った。現職の竹山修身(おさみ)氏(67)がやや優勢で、新顔の永藤英機(ひでき)氏(41)が懸命に追う。有権者の4割が投票態度を明らかにしておらず、情勢が変わる可能性がある。
竹山氏は自民、民進、社民、日本のこころが推薦し、共産が自主的に支援する。永藤氏は大阪維新の会が公認し、両者の一騎打ちとなっている。選挙結果は維新の今後の党勢に影響する可能性がある。
投票態度を明らかにした人でみると、竹山氏は自民支持層の7割を固め、無党派層の大半の支持を集めている。自主投票を決めた公明支持層にも浸透。永藤氏は日本維新の会支持層をほぼまとめた一方、無党派層の支持は広がっていない。
市長選に関心があるか尋ねたところ、「大いに関心がある」が30%、「少しは関心がある」が50%、「関心はない」は19%だった。
大阪都構想の賛否も聞いた。「大阪市を廃止し、新たに特別区に再編する大阪都構想に賛成か、反対か」との質問に対し、賛成は25%、反対は38%だった。「堺市も大阪都構想に加わり、特別区にすることに賛成か、反対か」との質問には、賛成は23%、反対は44%だった。投票態度を明らかにした人でみると、いずれの質問でも、都構想に「賛成」と答えた層の大半が永藤氏を支持し、「反対」と答えた層の大半が竹山氏を支持している。
市長選で投票する人を決めるとき、大阪都構想を「重視する」と答えた人は38%、「重視しない」は45%だった。
堺市長選を巡っては、竹山氏は2009年に当時の橋下徹・大阪府知事の支援を受けて初当選。前回13年は都構想に反対して橋下氏とたもとを分かち、維新候補を破って再選された。
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〈調査方法〉 16、17の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、堺市内の有権者を対象に調査した。有権者がいる世帯と判明した番号は1840件、有効回答は1021人。回答率は55%。