カズオ・イシグロ作品の魅力とはなにか。
ノーベル文学賞にカズオ・イシグロ氏 英国の小説家
翻訳家・英米文学者の鴻巣友季子さんは「代表作『わたしを離さないで』は、クローンとしてつくられた弱者たちの視点で書かれています。ディストピア小説や予言小説などと呼ばれていますが、現代の社会に実は存在しているのに、みんなの目には見えていないことを時代や場所をずらして書いている」と分析する。「米国でトランプ政権が誕生し、英国がEUからの離脱を決め、フィクションが現実に追いつかない近年、イシグロさんの作品は絵空事ではなく、じわじわとその恐ろしさが身にしみてわかるようになっていると思います」と話した。
2016年にドラマ「わたしを離さないで」(TBS系)に主演した綾瀬はるかさんは「撮影の前に東京、そしてイギリスでお会いして主人公を演じるにあたり様々なお話をお聞かせ頂いたことはとても思い出深く、心に残っています。私もドラマ化をきっかけにカズオ・イシグロさんの作品に触れましたが、この度の受賞を機会に、より多くのみなさんがカズオ・イシグロさんの作品に触れられて、心に響くことを願っています」などとコメントした。
劇作家・劇団「てがみ座」主宰…