元アイドルグループメンバーの原告女性が書いた手記
私たちと同じような状況の人はたくさんいる。私が訴えることで、何かが変わるきっかけになってほしい――。アイドルグループ「虹色fanふぁーれ」の元メンバーの女性ら4人が14日、当時の所属芸能事務所に対し、契約の無効確認や未払い賃金支払い、芸名の継続使用などを求め、東京地裁に提訴した。関係者への取材や裁判の資料から浮かんだトップアイドルの夢を追う女性たちの過酷な環境とは。
元アイドル女性ら「2年以上ただ働き」 事務所を提訴
提訴した「虹色fanふぁーれ」の元メンバーの女性の陳述書によると、子どものころから、安室奈美恵さんのような、ソロで歌って踊れる歌手に憧れていた。中学3年のとき、「1年以内にメジャーデビュー確約」とうたう芸能事務所のオーディションに応募。「レッスン生」としてデビューを目指すようになった。
高校進学後は、自宅から夜行バスで片道9時間かけて月4回、東京に通い、ボイストレーニングを受けた。毎回の交通費や宿泊費に加え、デビューまでのレッスン費約30万円は、いずれも自己負担した。
高校1年の秋、事務所のスタッフから「いつデビューになるかわからないから、上京した方がいい」と言われた。悩んだが、「一度しかない人生だから」と決意し退学。単身上京した。親から仕送りを受けながら家賃を支払い、飲食店などのアルバイトで生活費を稼いだ。女性は「夢のために頑張れた」と振り返る。
上京から半年後の2015年7…