膨らむ防衛費
第2次安倍政権の発足以降、6年連続で膨らむ防衛費の中身を見ると、米国製の防衛装備品の導入が目立つ。トランプ米大統領が呼びかける「バイ・アメリカン」(米国製品を買おう)を後押しするものだ。
過去最大となる18年度の防衛予算案に加え、政府は今年度補正予算案に弾道ミサイル攻撃への対応のための約600億円を含む2千億円程度を追加で計上する。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の関連費用は28億円。18年度予算案にも7億3千万円を計上する。設置場所として想定する秋田市と山口県萩市の陸上自衛隊演習場で、地質や電波の影響などを調べる。
一方、8月末の予算要求時には出ていなかった項目として、戦闘機から遠くの地上や艦船を狙う長距離巡航ミサイルの導入費用約22億円も計上した。
今回の防衛費の目玉であるイージス・アショアや戦闘機搭載用の長距離巡航ミサイルは、いずれも高額な米国製の装備品であることが特徴だ。
イージス・アショアをめぐっては今回、米国からの技術支援料などが盛り込まれているが、米ロッキード・マーチン社製の本体設置は1基あたり1千億円弱となる見通し。2基を本格導入する際に負担額は大幅に跳ね上がる。
近年、日本政府のこうした米国…