後半、チーム2点目を左足で決める流通経大柏の菊地⑩=長島一浩撮影
サッカーの第96回全国高校選手権大会第5日は5日、東京・駒沢陸上競技場などで準々決勝4試合が行われた。全国高校総体との2冠を狙う流通経大柏(千葉)が長崎総大付に3―0で快勝。上田西(長野)は明秀日立(茨城)を3―2で破り、県勢初の準決勝進出を果たした。前回準優勝の前橋育英(群馬)は米子北(鳥取)に3―0、矢板中央(栃木)は日本文理(新潟)に1―0で勝ち、4強入りした。
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長崎総大付は、今大会3点を挙げていたFW安藤を累積警告で欠いたのが響いた。ボールは奪えても、攻撃の形がなかなかつくれず、前半はシュート1本。後半4分に先制点を許すと、反撃する力はなく、初の4強入りはならなかった。小嶺監督は「力不足でした。個々のレベルも違った」。
流通経大柏、「後半勝負」ズバリ
後半、流通経大柏が一気に圧力を強める。夏の高校総体優勝校は好機を逃さない。後半4分、ゴール前に入れたロングスローのこぼれ球をDF関川が「思い切りよく振れたのは良かった」と右足で豪快に蹴り込んだ。6分後にはMF菊地が2点目。得点源のFW安藤を累積警告で欠いた長崎総大付を引き離した。
激しい当たりの相手に、前半は手を焼いた。だが「前半、ゼロでいけたのが良かった」と本田監督が話したように持ちこたえた。そして「後半勝負」と描いていたプランを実行した。
今大会はこれまでの3試合でゴールは許していない。関川は「流経の特徴であるハイプレスが無失点という結果につながっている」。爆発的な攻撃力はないが、このチームには大崩れしない力がある。