ガッツポーズで優勝のテープを切る青学大の梶谷瑠哉
東京都立川市で4日に開かれた第21回日本学生ハーフマラソン(陸上自衛隊立川駐屯地スタート、国営昭和記念公園フィニッシュの21・0975キロ)で、青学大3年の梶谷瑠哉(りゅうや)が1時間3分20秒で優勝した。1月の箱根駅伝で4連覇を果たしたメンバーだが、不完全燃焼を感じていた。梶谷自身にとっても、再び出雲、全日本、箱根の学生駅伝3冠を目指す青学大にとっても、来たる新年度に向けて弾みとなった。
東京の最高気温は21・2度。暑い中、梶谷が何度も拳を握ってフィニッシュした。「15キロで1人で出た時に後ろが意外と離れたので、いけるかもしれないと思った。後半かなりペースが落ちたんですけど、やっぱり勝てるときに勝たないと」と喜んだ。
梶谷は2年時の箱根で1区4位。今回も4区で優勝に貢献したものの、区間9位だった。「トラックシーズンはずっとけがで1試合しかやっていなくて、そのまま駅伝シーズンに入ってしまった。駅伝の走りが全然できていなかった」。モヤモヤした気持ちを抱え、「箱根の後、(学生の)ラスト1年、やるしかないなと思ってやってきた」と話す。
福岡市で2月24日に開かれたクロスカントリー日本選手権(10キロ)は12位。2週連続のレースとなる今大会には、福岡で梶谷より上位だった東洋大の西山(3位)、今西(4位)、渡辺(6位)、東海大の松尾(10位)らは不在だったが、「福岡は1週前に合宿があって、その流れで心肺を追い込むような形でやり、立川でしっかり走れって感じだった。福岡よりいい感じで持ってこられた」と手応えを語った。
原監督「箱根以降良くなってきた」
今年度、青学大は出雲でスピードランナーをそろえる東海大に敗れ、全日本でも優勝を逃したが、箱根で4連覇。箱根2区で区間賞の森田歩希が主将となり、梶谷ら新4年生が中心となって動き出している。原晋監督は3冠について「狙います。スピード、持久力を兼ね備えたランナーがそろっているので、ちゃんとスタートラインに立たせられれば大丈夫だと思う。別にうちがスピードトレーニングをやっていないわけじゃないですから」という。「梶谷は箱根駅伝以降良くなってきた」と主力の復調を頼もしく感じていた。
日本学生ハーフは、昨年は神奈川大の鈴木健吾が1時間1分36秒の大会新で優勝。秋の全日本大学駅伝では最終区で逆転劇を演じ、優勝をもたらした。青学大でも、2016年度に3冠を果たした時のエース一色恭志が、3年前に優勝。今回1時間3分20秒で制した梶谷は「タイムはそんなによくないけど、監督から順位を大切にしろと言われた中で優勝でき、自信になるレースだった」と振り返り、「気を抜かないようにしたい。駅伝でチームの力になれるように」と、最後のシーズンを迎える。(松本行弘)