ダイキンオーキッドレディスの決勝ラウンド8番でショットを放つ諸見里しのぶ
女子ゴルフの国内ツアー開幕戦で、諸見里しのぶが久々に上位に食い込んで復活を印象づけた。かつて20代前半で賞金女王を争った諸見里も、今年7月には32歳になる。生まれ故郷の沖縄での開幕戦で、最高のスタートを切った。
決勝ラウンドの18番。約1メートルのバーディーパットを慎重に沈めた諸見里に、笑顔が広がった。「最後は絶対に(バーディーを)取ってやるんだと思って臨んだので、すごく満足です」。沖縄・琉球GCで4日まで行われたダイキンオーキッドレディスで、通算7アンダー。昨季の賞金女王、鈴木愛らと並ぶ3位で開幕戦を終えた。
2005年にプロテストに合格後、09年にはメジャー2勝を含む年間6勝を挙げ、最終戦まで賞金女王争いを繰り広げた。だが、その後は原因不明の左肋骨(ろっこつ)の痛みに悩まされ、成績は急降下。昨季は予選ラウンドを3回しか通過できないなど低迷が続いた。3位以内でのフィニッシュは、12年のmeijiカップ以来、実に6季ぶりだった。
「調子(の良さ)は09年以来かも」と手応えを感じた今季の開幕前には、親交のある平瀬真由美や東尾理子に「どうやったらパターが入るんですか?」と積極的に聞いて回った。
平瀬からは「もっと海外の選手の映像を見て研究した方がいい」、東尾からは「いい練習器具があるから、使った方がいい」とそれぞれ助言を受け、すぐに実行に移した。開幕戦で早速その成果を出し、平均パット数は出場全選手の中で2番目にいい1・6579にまとめた。
9季ぶりの活躍を予感させる上々のスタートにも、「緊張する場面だとまだ硬くなる。もっとリズム良く打っていきたい」と気を引き締めた諸見里。表情は明るく、自信に満ちあふれていた。(平井隆介)