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トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)氏が5月までに会談することを、韓国政府高官が発表した。韓国が仲介し、急転直下で進む歴史的な米朝首脳会談の意味と課題は何か。日本外交はこの流れについていけているのか。2人の識者に聞く。
李鍾元さん(早稲田大学教授)
李鍾元さん=東京都中央区、川村直子撮影
米国と北朝鮮の対話はあるかもしれないと思っていましたが、いきなり首脳会談とは……。事態が予想しなかったスピードで動いています。しかし、首脳会談が実現するまでには曲折もありそうで、もう少しじっくり見る必要があります。
リー・ジョンウォン 1953年、韓国生まれ。専門は国際政治学、東アジア国際関係論。共著に「戦後日韓関係史」など。早稲田大学韓国学研究所長を兼務。
韓国側の発表では、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は「非核化に取り組む考えを表明」し、米韓合同軍事演習について「理解を示した」とのことです。金委員長は1月の新年の辞で、平昌オリンピックへの参加の意向を示し、開会式に妹の与正(ヨジョン)氏を派遣。自ら韓国政府の特使に会い、もてなしました。こうしたことと合わせてみると、一時しのぎの戦術的な動きではなく、方針を大きく変えて、戦略的決断をしたかのようです。
トランプ大統領はそうした感触を得て、5月までに首脳会談をしようと答えたのでしょう。会談が成功すれば、11月の中間選挙を前に大きな得点になります。
米国の大統領が、金委員長に会…