片山善博・早稲田大学教授
片山善博さん、証人喚問でみえたもの
行政府の元官僚を、国会が証人喚問するのは、異例です。しかし今回は仕方なかったと思います。佐川氏は、国会で虚偽の答弁をしていた可能性が高い。公文書改ざんへの関与も疑われる。立法府が証人喚問という手段をとるのはやむをえないでしょう。
51年生まれ。早稲田大学教授。自治省を経て、鳥取県知事を務めた。著書に「民主主義を立て直す」など。
今回の証人喚問で、佐川氏が「刑事訴追の恐れがあるから答弁を控えたい」を連発しましたが、改ざん前の書類をいつ見たかなど、刑事訴追と関係ないことまで証言拒否しているように見えました。
首相や夫人の関与についても、与党議員の「指示はありませんでしたね」という質問に「ございません」と証言。そのやりとりからは指示以外の働きかけの有無はわからない。非常に巧妙な出来レースのような印象を受けました。
不明な部分が多いままである以上、今後、証人喚問をもっと幅広く行い、問題の解明を進めるべきです。真実を明らかにするための作業工程と位置づけ、いろいろな人を呼べばいい。
一つ問題なのは、証人喚問が、…