創成館―智弁和歌山 十回裏智弁和歌山2死一、二塁、黒川に左越えサヨナラ二塁打を打たれた投手酒井=加藤諒撮影
(1日、選抜高校野球 智弁和歌山11―10創成館)
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逆転サヨナラの2点適時打を浴びた創成館の酒井は「みんなに申し訳ない」と泣いた。十回、1点を勝ち越した後のマウンド。力んだ。四死球を二つ与えた。2死までこぎ着けたが、三振を狙った変化球を捉えられた。
「勝負にいった。低めを狙ったつもりだった」。だから打たれた瞬間は頭が真っ白になった。そして「打たれたということは失投だったということ」と唇をかんだ。
背番号17。昨秋に体育の授業で左足を痛めた。「崖っぷちでメンバーに入った」と思っている。信用を得ようと必死。登板のチャンスでは「絶対活躍してやろう」と気持ちを前面に出している。
この日は九回、同点に追いつかれてなお2死一、二塁の場面でマウンドへ。スライダーで空振り三振を奪い、直後に味方が1点を勝ち越し。ここを抑えればヒーローの一人だった。
試合後、捕手の平松が打たれた配球について謝ってくれた。でも、「自分のどこかに甘さがあるのだと思う。1球で負けてしまった」と責任を背負った。(有田憲一)