北九州市の市営団地で知人女性2人を殺害したとして、殺人や死体損壊などの罪に問われた無職三原賢志被告(44)の裁判員裁判が6日、福岡地裁小倉支部(鈴嶋晋一裁判長)であった。検察側は論告で「犯行は残忍で悪質」などとして無期懲役を求刑した。判決は19日の予定。
三原被告の起訴内容は、2015年5月~同年冬、同市八幡西区の市営団地の自宅で、知人の水谷公子さん(当時43~44)の胸を刃物で刺して殺害し、遺体の一部を切り取ったというもの。16年6月5日ごろには知人の佐伯啓栄(ひろえ)さん(同45)の首を刺して殺害後、胸を切りつけたとされる。
殺意や刑事責任能力について争っており、検察側は論告で、鑑定結果を踏まえて「被害者の体の枢要部を刺しており殺意も明確」と主張。弁護側は最終弁論で「被告は当時、覚醒剤を使用しており、通常では考えられない精神状態。刑事責任能力はなかった」と無罪を訴えた。(村上英樹)