大阪桐蔭の西谷浩一監督=遠藤真梨撮影
春の甲子園で連覇を果たした大阪桐蔭の監督 西谷浩一さん(48)
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史上2校しかなかった春連覇。「挑戦したい気持ちが強かった。達成できて本当にうれしい」。90回の記念大会で歴史をつくった。監督として春夏通算6度の優勝は歴代最多記録に並ぶ。
「練習は足し算だが、日本一になれるのは甲子園でかけ算ができたチーム」。過去14回の甲子園監督経験で選手がぐんと伸びる姿を幾度も見てきた。「粘り抜けたことは大収穫だった」。準決勝も決勝も終盤の得点で試合を決めた。
「負けを無駄にしないように、この悔しさから始めよう」。昨夏の甲子園。1点リードの九回2死一、二塁で、内野ゴロに仕留めたはずが2年生の一塁手がベースを踏み損ね、直後に逆転サヨナラ負け。翌日、新主将にその選手を指名。「もっと成長しないと届かない」と能力の高い選手たちに口酸っぱく言い続けて偉業に到達した。
兵庫・報徳学園高から関西大をへて、1993年から大阪桐蔭のコーチ・監督を務めてきた。誘った前監督が語る人物評は「誰よりも負けず嫌いな野球小僧」。寮生活を送る選手の早朝練習に付き添い、伸び悩む選手の練習法を面談して一緒に考える。「全員をレギュラーにはできないけど、全員をうまくすることはできる」
第100回となる夏にも期待がかかる。「まずは大阪で勝たないと」。選手に求めるのと同じように、自らの心を引き締めた。
文・遠藤隆史 写真・遠藤真梨