北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は14日、芸術団を率いて訪朝している中国共産党の宋濤・対外連絡部部長と会談した。朝鮮中央通信が15日、伝えた。両氏は会談で「両党の関心事項となっている重大な問題と国際情勢」について意見交換したという。
同通信は「重大な問題」の内容には触れなかった。27日の南北首脳会談や6月までに行われる見通しの米朝首脳会談などについて協議したとみられる。正恩氏は中朝の高官交流などを進める考えも表明。3月に訪中した際の中国側の歓待に感謝し、中国芸術団への最高の待遇を指示した。
これに対し、宋氏は習近平(シーチンピン)国家主席のメッセージを正恩氏に伝えた。宋氏は、中朝関係が長期的に安定して発展することが、朝鮮半島の平和と安定の維持に寄与すると語ったという。
同通信は、正恩氏が14日夜、宋氏ら訪問団を歓迎する夕食会を開いたことも伝えた。宋氏は朝鮮労働党の李洙墉(リスヨン)党副委員長とも会談した。15日付の労働新聞(電子版)は、正恩氏と宋氏との会談を1面トップで伝えた。
一方、韓国大統領府は15日、北朝鮮との間で通信分野の実務協議を14日に板門店で行ったと発表した。18日には同地で儀典、警護、報道の各分野を巡る実務協議も行うとした。(ソウル=牧野愛博)