南北首脳会談が開かれる板門店の韓国側施設「平和の家」=18日、武田肇撮影
韓国政府は18日、南北首脳会談が27日に開かれるのを前に、会場となる板門店の会議場「平和の家」を内外のメディアに公開した。韓国大統領府によると、当日は文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長が初めて握手する瞬間など会談の一部が生中継される。
「平和の家」は韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線の南側にあり、正恩氏は朝鮮戦争後、韓国側に足を踏み入れる最初の北朝鮮の最高指導者となる。「平和の家」の内部は公開されなかったが、建物の前では国連軍兵士が警備する中、カーペットを敷く準備が進められていた。
韓国側は首脳会談を機に板門店を「平和の始まり」を象徴する地としてアピールしたい考え。メディアに公開したのも、歴史的な首脳会談の注目度を高める狙いがある。
ソウルから約50キロの板門店では1953年、朝鮮戦争休戦協定の署名が行われた。一帯は韓国軍や米軍を中心とした国連軍と、北朝鮮軍が共同で警備を行う共同警備区域(JSA)となっている。昨年11月、北朝鮮軍兵士が仲間からの銃撃を受けながら韓国側に逃げる事件が起きるなど、たびたび分断の悲劇を象徴する事件の舞台となってきた。(板門店=武田肇)