ゴボウなど秀吉の好物をふんだんに使った優秀賞の「豊国バーガー」(名古屋市中村区役所提供)
名古屋駅を擁し、豊臣秀吉の出生地でもある名古屋市中村区で、ご当地グルメ「尾張中村めし」を作ろうという取り組みが進んでいる。中村区にゆかりがあればアイデアは自由。市民から募ったレシピ本には、秀吉にちなんだメニューが並んだ。
区役所や地元の商店街組合、まちづくり団体など11団体が実行委員会を作り、昨年6月から活動を始めた。昨年の区制80周年をきっかけに、「食を通じて中村区の魅力を伝え、住んでいる人、訪れる人を笑顔にしたい」と手を組んだ。
「尾張中村めし」の条件は、中村区ゆかりの食材を使い、中村区をイメージできる料理であること。昨秋にレシピコンテストを開き、市民からアイデアを募集したところ、26点の応募があった。専門家らが優秀作6点を選んで、冊子「尾張中村めし まるごとBook」ができあがった。
最優秀賞は「ジューシー中村肉まん」。地元特産のホウレンソウを使い、秀吉が好んだ金色をカレーで表現した。専門家も「すぐに商品化できる」と太鼓判を押した。
「秀吉バーガー」は、立身出世した秀吉を、「先が見通せる」と縁起物のレンコンを使って表現。「シャキッ・カリッ・モチッと根菜チヂミ」は、秀吉の好物だったといわれるゴボウやダイコン、ネギをふんだんに使った。
実行委では今年度、これらの「尾張中村めし」を市民に作ってもらう講座を中村生涯学習センターで開くほか、区民まつりで試食ブースを設けたり、飲食店にレシピを活用した料理を提供してもらえるよう働きかけたりして普及を目指す。レシピコンテストの第2弾も計画しており、区役所地域力推進室の窪薗友浩さんは「いずれは、『尾張中村めしと言えばこれ』と言われるメニューを完成させたい」と意気込む。
レシピ本は21ページ。区内の飲食店が考案した「尾張中村めし」も紹介している。5400部を区役所や区内の地下鉄駅、観光案内所などで無料配布している。区役所のホームページからダウンロードもできる。(中野龍三)