田口良一(左)と内山高志さん
世界ボクシング協会(WBA)と国際ボクシング連盟(IBF)のライトフライ級統一王者・田口良一(31)=ワタナベ=が、新たな勲章に挑む。20日に大田区総合体育館で行われる世界戦は、日本選手として初めてとなる統一王座の防衛戦。「史上初はうれしいし、何としても勝ちたい」と意気込む。
挑戦者のIBF同級6位、ヘッキー・ブドラー(29)=南アフリカ=は、元WBAミニマム級スーパー王者でもある実力者。田口は「足を使う選手。相手のやりやすいように、やってはいけない」と警戒する。
鍵になりそうなパンチに「ジャブ」を挙げる。理想は元WBAスーパーフェザー級スーパー王者で、所属ジムの先輩にあたる内山高志さん(38)のような試合運び。「内山さんも、ジャブで相手をコントロールしていた。そこに近づきたい」。基本的にはガードが空いているところを狙うが、「ガードの上からでも打つことで、相手のバランスを崩したい」。
試合から6日前に行われた公開練習では、渡辺会長らから「6回ぐらいにKO」を期待する声が相次いだ。田口の試合が早く終われば、IBFミニマム級王者・京口紘人(24)=ワタナベ=の防衛戦も、一部地域でテレビ放送されるからだ。田口は「自分のペースで焦らず。『早く倒さなきゃ』とは思わない。京口には、先に謝っておきました。『なるべく(KO)頑張るけど』と」。控えめな王者らしい言葉だった。(井上翔太)