フェイスブックのザッカーバーグ最高経営責任者
米交流サイト最大手、フェイスブック(FB)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者が22日、欧州連合(EU)の欧州議会を訪れ、FBを通じて個人情報が不正利用されたことやフェイク(偽)ニュースが広まったことを謝罪した。議員には「質問に答えていない」といった不満が残っており、EU側の納得を得られたとは言い難い状況だ。
欧州議会のタヤーニ議長や会派の代表者らと会談し、議員の質問にも答えた。ザッカーバーグ氏はまず、「過去数年、フェイスブックが不正なことに使われるのを防ぐために十分なことをしてこなかった。間違いだった」と謝罪した。
EUは25日、個人情報の厳しい管理を企業に義務づける規制「GDPR」を導入する。ザッカーバーグ氏はこれについて「価値観を共有している」と述べ、順守することを強調した。
ただ、会談の後、議員からザッカーバーグ氏への批判が続出した。「不正な情報流出が再び起きないことを保証できなかった。EUの規制以上のことをすることも約束しなかった」「難しい質問に答えなかった」といった批判だ。欧州議会はFBに対し、数日中にすべての質問に対する詳しい回答を求める方針だ。
FBをめぐっては、2016年の米大統領選で多くのフェイクニュースを広めることに使われたり、利用者の情報が英選挙コンサル会社に不正に流出したりしたことが発覚。EUはネット上の個人情報を守る権利を「基本的人権」と位置づけており、こうした問題を厳しく批判している。(ブリュッセル=津阪直樹)