(2日、ソフトバンク5―1オリックス)
2本のホームランが流れを、そして試合を決めた。
まずは同点の四回無死。ソフトバンクの3番松田が外角の142キロをとらえ、打球は大きく右方向に上がった。7月7日以来の一発は勝ち越しのソロアーチに、「久しぶりすぎの良い感触だったので、素直にうれしい」。ベンチ前で、観客席に向かっていつものように右拳を突き上げた。
さらに2点リードの八回2死一塁。「しっかり自分のスイングが出来た」と4番柳田が直球を振り切り、リーグトップの25号を右翼スタンドへ放り込んだ。
今、この2人にかかる期待は大きい。4番だった内川が7月下旬に故障離脱し、打順の組み替えを余儀なくされた。そのため、主に6、7番だった松田が3番に、そして3番だった柳田が4番に座る。この新たな「3、4番コンビ」は、ともに6試合連続で安打を放つなど機能している。
2本のアーチは困窮している投手陣も助けた。前夜はサファテが延長十二回に本塁打を浴びてサヨナラ負け。登板43試合目だったサファテは気持ちを高ぶらせて「先発ピッチャーのつけがこっちに回ってくる。なにか感じて欲しい」と話した。この日は先発のバンデンハークが8回1失点。救援陣の負担を軽くした。
投打がかみ合い、7月8日以来の首位。松田は「首位を守れるようにチーム全員で勝っていきたい」。正念場となる真夏、ソフトバンクが底力を見せ始めた。(堤之剛)
○工藤監督(ソ) 「(バンデンハークが8回1失点)リリーフを休ますことが出来て良かった。今日は岩崎もサファテも使うつもりはなかった。点差が開いているときには、他のピッチャーも投げてもらえるようにしないといけない。明日勝てるように頑張る。とにかく常に足元を見て頑張ります」
○バンデンハーク(ソ) 8回1失点。「自分の仕事ができた。リリーフ陣が連投していたので、八回までいくことができてよかった」
○柳田(ソ) 八回に貴重な追加点となるリーグトップの25号2ラン。「しっかり自分のスイングができた」
○松田(ソ) 7月7日以来の一発は、勝ち越しのソロアーチ。「久しぶりすぎのいい感触だったので、素直にうれしい」