新しく誕生した泡盛カクテル「58KACHA―SEA」。ゴーヤーを使い、沖縄らしさを演出する=那覇市、吉田拓史撮影
全国的なブームが一段落した沖縄の地酒・泡盛。最近は販売の落ち込みが止まらない。「飲みにくい」などと若者らに敬遠されがちなイメージを変えて愛好者を増やそうと、こだわりの酒づくりを続けてきた地元の酒造所があの手この手の模索を続けている。
特集:沖縄はいま
■出荷量、11年連続で減少
沖縄は今、泡盛づくりの最盛期だ。那覇市で1日、沖縄県酒造組合などがレシピを公募した「泡盛カクテル」の発表会が開かれた。
133作品から選ばれたグランプリは、ゴーヤーを使った「58KACHA―SEA(ゴーヤーカチャーシー)」。「ゴーヤー」、沖縄本島を南北に貫く「国道58号」、かき混ぜるとの意味もある伝統の踊り「カチャーシー」、「海」にちなんだ名前だ。すり下ろしたゴーヤーの皮を泡盛と混ぜてライムを搾り、トニックウォーターで割る。バーや居酒屋などで広め、「泡盛ならこれだ、というカクテルに育てたい」という願いがこもる。
背景には長引く出荷の落ち込みがある。1990年代以降の「沖縄ブーム」などで県外でも人気が高まった泡盛。だが、出荷量は04年の2万7688キロリットルをピークに11年連続で減り、15年は2万キロリットルを割った。県外向けの減少が目立つ。「クセがある」「アルコールが強い」などと若者や女性が敬遠する傾向もあり、メーカーも「飲みやすさ」をキーワードに商品開発に工夫をこらす。
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