朴智星(パク・チソン)=2009年
サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、韓国はスウェーデンとの初戦で0―1の敗北。韓国がベスト4に進んだ2002年日韓大会で主力となり、イングランド・プレミアリーグでも大活躍した朴智星(パクチソン)氏が、こぼれ球への反応やカウンターの鈍さ、体力作りの準備不足などについて、厳しく指摘した。
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朴氏は現在、韓国のテレビ局SBSの解説委員を務める。試合後、韓国メディアの取材に応じた。
韓国の申台竜(シンテヨン)監督は、長身選手が多いスウェーデンに対抗すべく、最前線の中央に196センチの金信煜(キムシヌク)を起用した。だが、チームのシュートは5本、枠内シュートがゼロに終わるなど、攻めがか細かった。
朴氏は「高さを攻略する時に重要なのは、こぼれ球への反応。その部分が不足していた。そして、カウンターでシュートまで持ち込めなかったことが最も悔やまれる。(左右FWの)孫興民(ソンフンミン)と黄喜燦(ファンヒチャン)がサイドは崩したが、ゴールは中央で生まれるもの。中央で同じスピードで侵入しなければいけないのに、それができなかった」と、攻撃の問題点を分析した。
そして、最も厳しく言及したのが体力面。「後半25分からスウェーデンの動きは鈍ったのに、体力的に優位に立てなかった。体力面の準備開始が遅かったのでは、という疑問を抱かざるを得ない」と語った。
韓国代表は、成績不振のためにシュティーリケ前監督が昨年6月に解任され、申監督が後任に。今年4月に監督交代した日本より時間はあったものの、体制は混乱した。選手の平均年齢も27・9歳で、2014年ブラジル大会より1・9歳上がった。フレッシュ感がない点も日本と似ている。
さらに、メンバー23人のうち、海外クラブ組は11人いるが、Jリーグが5人、中国が1人で、欧州組はイングランド・トットナムの孫ら5人だけ。全体的に停滞感が漂う中の、初戦の敗北だった。