竜王戦の決勝トーナメントの初戦で、都成竜馬五段に勝った藤井聡太七段=大阪市の関西将棋会館、佐藤圭司撮影
将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)七段(15)が25日、第31期竜王戦(読売新聞社主催)決勝トーナメントの初戦で都成(となり)竜馬(りゅうま)五段(28)に勝った。あと4勝すれば、羽生(はぶ)善治(よしはる)竜王(47)への挑戦者を決める三番勝負に進出する。
大阪市福島区の関西将棋会館で午前10時に始まり、午後10時11分に終局した。後手番の藤井七段が104手で勝った。藤井七段の今年度の成績は9勝0敗となった(未放映のテレビ対局を除く)。
終局後、藤井七段は「序盤は少し指しやすいかなと思ったが、具体的に、どう優位にするのかが難しかった。最後は自玉が少し寄りづらい形になって、勝てそうかなと思った。前期の竜王戦は決勝トーナメントの2局目で敗れたので、それより上に行けるように頑張りたい」と話した。藤井七段は王座戦、棋王戦でも挑戦権を争うトーナメントで勝ち上がっている。とくに王座戦は、あと2勝でタイトル挑戦権を獲得する。棋王戦では菅井竜也王位(26)との対戦が決まっているが、藤井七段は「過去に一度対戦して完敗だった。次は互角以上に渡り合いたいと思います」と話した。
都成五段は新人王戦で優勝した実績もある関西の新鋭だが、対藤井七段の公式戦は4連敗となった。都成五段は「序盤の構想がひどく、つらい時間が長かった。この大一番に、ふがいない将棋で残念。しっかり反省して、また、この場所に戻って来られるように頑張りたい」と話した。
藤井七段の次の竜王戦での対局は29日、増田康宏六段(20)と東京都渋谷区の将棋会館で対戦する。(佐藤圭司)