大石直嗣七段(右)に勝ち、ホッとしたような笑顔を見せた藤井聡太六段=大阪市福島区の関西将棋会館、佐藤圭司撮影
将棋の高校生棋士、藤井聡太(そうた)六段(15)が24日、大阪市福島区の関西将棋会館での第44期棋王戦(共同通信社主催)の予選で大石直嗣(ただし)七段(28)と対局し、133手で勝った。本戦トーナメント進出にあと1勝と迫った。
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終局後、藤井六段は「序盤は少し模様が良いかなと思っていたが、軽視していた手を指され、急に悪くしてしまった。一手バッタリに近い感じで、そこから相当苦しかった。最後は実戦的に指したのが功を奏した感じです」と話した。大石七段は「(藤井六段が指摘した手のあたりで)少し面白くなったかと思ったが、そこからの指し手がよく分からなかった」と話した。
藤井六段は今年度、3戦3勝と好スタート。日本将棋連盟によると、藤井六段の通算成績は86対局、74勝12敗となった。
棋王戦は、将棋界の8大タイトル戦の一つ。全棋士と女流名人、アマ名人が参加。予選をトーナメントで行い、その通過者8人とシード者で本戦トーナメントを行うなどして、挑戦者を決める。例年2~3月に五番勝負がある。いま進行中の予選は、来年2~3月に渡辺明棋王(34)に五番勝負を挑む棋士を決める本戦トーナメントに進む8人を決める戦いだ。
藤井六段の次の対局は5月7日、第66期王座戦(日本経済新聞社主催)の挑戦者決定トーナメント。16棋士によるトーナメントの1回戦8局のうちの1局で、東京・将棋会館で屋敷伸之九段(46)と対局する。
また、藤井六段は5月18日、竜王戦の予選にあたるランキング戦5組の船江恒平六段(30)戦に勝てば、規定により七段昇段が決まる。この点について質問すると、「昇段については自分はあまり意識していないです。竜王戦の(ランキング戦で優勝して)本戦を目指して頑張りたいと思っています」と答えた。(佐藤圭司)