ナイジェリアに勝利し喜ぶメッシ⑩らアルゼンチンの選手たち=長島一浩撮影
(26日、アルゼンチン2―1ナイジェリア サッカー・ワールドカップ)
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渇望していたメッシの今大会初ゴールで手に入れたリードを、アルゼンチンはあっけなく手放した。
後半4分、ナイジェリアのCK。相手を抱え込んだマスケラーノがPKを与えて、同点。勝たなければ、次に進めない前回準優勝チームが追い込まれた。
前半からナイジェリアがちらつかせていたカウンターの切れ味は鋭い。4年前に対戦した時に2点を奪われたムサの速さにも手を焼いていた。
ただ、1点を勝ち越さなければ、明日はない。そのシンプルな状況で、むしろ腹をくくれた。サンパオリ監督は試合後に語っている。「選手たちは勇敢で、その勇気が2点目につながった」
パスを出し入れしながら、相手の穴を探す。サイドを突き、DFの背後に走った。左右のDFは逆襲を受ける危険を承知の上で高い位置を取った。
メッシでさえ、「緊張していた。時間の経過を早く感じた」という。後半36分にイグアインのシュートが外れ、39分のスルーパスに飛び込んだメサの突進も阻まれた。
捨て身の攻撃が実を結んだのは41分。メルカドのクロスに右足を合わせたのはロホ。相手陣深くに残っていたDFの2人が決勝トーナメントへの切符を手繰り寄せた。
4大会ぶりの1次リーグ敗退の危機のなか、監督もメッシも批判にさらされていた。試合を終えた選手の多くが泣いている姿が重圧の大きさを物語る。
前日、サンパオリ監督は「ここから我々のW杯がスタートする。(決勝Tを含め)五つある決勝の最初だ」と語っていた。その最初の「決勝」をクリアした。(潮智史)