第76期将棋名人戦七番勝負(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛)で3連覇を果たした佐藤天彦(あまひこ)名人(30)の就位式が20日夜、東京都文京区で開かれ、ファンら370人が祝福した。
佐藤名人は4~6月の名人戦で、挑戦者の羽生善治竜王(47)を4勝2敗で破り、防衛を果たした。式では、日本将棋連盟の佐藤康光会長(48)から推戴(すいたい)状が授与された。また、佐藤名人の希望で、駒の材料となる御蔵島(東京都御蔵島村)のツゲの木地が記念品として贈られた。今後、職人に駒の製作を依頼するという。
今期の名人戦は、羽生竜王の「タイトル通算100期」という記録がかかっていた。あいさつに立った佐藤名人は「羽生さんを応援する方にも楽しんでいただける将棋を指せたらいいな、と思っていた。自分を応援する方も多くいらっしゃって、自然体で臨むことができた」と謙虚に振り返り、「名人戦に出なければつながらなかったであろう人との縁があり、それがモチベーションになる。今後も自分の将棋を指していきたい」と語った。(村瀬信也)